みゆきファームの取り組み

 

みゆきファームの考える農業

農業に携わる中でいつも思うことは、「私たちは、大きな自然の営みのわずかな恵みをいただいている」ということ。
私たちができることは、作物の状態をよく見て、自然をよく見て、物言わぬ野菜たちが何を欲しているのかを考え、少し手を加えることくらいなのです。
その判断が正解か、間違いかどうかは、作物が素直に答えてくれます。おいしい野菜ができた時は、これまでの苦労が吹き飛ぶほど嬉しい気持ちになります。
とは言っても、毎年同じというわけにはいかない。天気、温度、台風の影響、様々な要因が毎年違う。だから農業は面白い。
時には、巨大な災害ももたらす自然の大きな力に途方に暮れることもあります。
自然の前では、人間の力や自分の努力なんて本当にちっぽけなものだと、謙虚な気持ちになります。
だからこそ、自然とともに生きる農業は、やっぱりとっても面白い!そう思って日々自然と向き合っています。
 
 

減農薬にこだわる理由

私が農家を目指したきっかけは、世界のあちこちで深刻化する環境問題でした。
レイチェル・カーソンの『沈黙の春』、そして有吉佐和子の『複合汚染』を読み、環境問題は世界のどこかではなく、私たちの身の回りにも存在する問題だと知った大学時代。
しかも、農薬や化学肥料は、戦争の産物にほかならず、自然の恵みをいただくはずの農業は、とても不自然な農業になっている。そのことに大きな疑問を感じました。
それからずっと農家になりたいという思いは募り、ついに30歳半ばで一念発起しました。まずはいちごから。この先、作物の種類や農地の面積も増やしていきたいと考えています。
農薬に頼るのではなく、自然の力を借りながら、病害虫に負けない美味しい作物をどんどん作っていきたい。
私の農家の夢はまだ始まったばかりです。
 


 

 

なぜ、いちごなのか?

農業を始めるにあたり、何の作物を作るか、色々と悩みました。
なるべく楽ができて、儲かる野菜はどれだろう?と本気で考え、めちゃくちゃ調べました。
でもやっぱり、自分が作った野菜を食べてくれる人のことを考えた時、たくさんの人が喜んでくれるもの、という理由で最終的にいちごに決めました。
大人も子供も、一口かじれば笑顔になれる。見た目も真っ赤でかわいい。
しかも、作り始めてみるとなかなか奥深く、難しくもありますが、こちらが手を加えればちゃんと応えてくれる。そんなところも、いちごの魅力なのです。
 

 
 
採れたての新鮮さをそのままお届け

有田町の恵まれた自然の中で育つお米や野菜は、どれも美味しいと、心から思います。
ここに住んでいると、それが当たり前になってしまうのですが、移住や旅行などで他所から来た人が「有田の食材ってほんと美味しいね!」と言うのをよく耳にします。
そんな自慢のお米や野菜をせっかくお届けするのなら、生産農家から直送で、一番美味しい状態でお届けしたい!
そのために早朝から収穫することも、目をこらして丁寧に選別することも、当たり前のこと。
おいしい食材は、それだけで人を笑顔にしてくれます。すべては、お客様の笑顔のために。
 


 

 

子供たちの未来のための農業を

もう一つ、「食べてくださるお客様のため」以外に、みゆきファームの農業は「子供たちの未来のため」でもあります。
農業を通じてこの自然豊かな地域を守り、次世代の子供たちにつないでいきたい。
多くの農村地域が、過疎化、高齢化、後継者不足などに悩まされています。
農地が荒れて、野生動物の被害も増えています。
子供たちの世代も、自然の恵みをいただきながら、当たり前の暮らしがこの先も続いていけるように。
そのために、私たち大人が胸を張って農業を続けていく姿を見せたいと思っています。